呼吸法の実践

広告

私の不思議世界とのなれそめは、雑誌に書かれた「西野流呼吸法」と呼ばれるものだった。
芸能人も実践しているという呼吸法で、いつまでも若々しい肉体をつくるために不可欠という話だったが、実はこうしたものはいわゆる超能力開発のようなものにも有効だ。

具体的な呼吸法

1 結跏趺坐をする。
 仏像などを見ると、結跏趺坐といって、両足を組んで、足の裏を上に見せるような姿勢をとっている。この姿勢がいちばん安定感があってよいのだが、なれないと足が痺れてしまう。そのため、上体を起こして姿勢を正しくするということに留意して、胡座をかく程度でもかまわない。

2 肚の奥の空気を吐き出す。
 両手を丹田の前で組んで、肚の空気を吐き出すと同時に、手を丹田に近づける動作をする。これによって、あたかも肚の空気を手で押し出しているようなイメージをつくりあげる。吐いたらそのまま数秒待つと良い。

3 空気を思い切り肚に入れて待つ。
 これも思い切り空気を吸って肚のなかに入れる。いわゆる腹式呼吸だが、これも丹田に置いた手が、空気が入ると同時に前に押し出されるようにイメージするとうまくいく。空気が入ったら、そのまま4秒程度は待って、十分に体内に気が行き渡るのをイメージする。

4 肚の空気を思い切り吐き出す。
 2と同じく、丹田の前にある両手は丹田に近づけて、空気を吐ききるようにする。

実践する期間

 私の場合はこの呼吸法を、毎日短い時で5分、長ければ30分程度というのを、2週間ほど続けていた。
 2週間あれば十分に、仙道でいうところの「小周天」が可能になったのだから、まじめに続けてさえいれば、期間はあまりかからないと考えてもよいのかもしれない。

実践による変化と小周天の完成

 2週間目、この呼吸法をしていると、頭頂部を針でつついたような痛みが走り、そこからマグマのように、体の内側から気がほとばしるという体験をした。
 これは熱の固まりのようであり、ドロドロと液体とも固形ともつかないような状態のものに思えたが、その熱の固まりがしだいに頭全体を覆い、あたかも頭が消えてしまったからのような感覚に陥った。
 その後、10分ほどもたつと、熱感がいきなり冷感にかわって、スースーした風の流れが頭頂部にできるようになった。
 この体験以降、丹田で熱感の固まりが生まれ、それが尾てい骨から背骨を通って頭頂に至り、さらに顔に降りて丹田に至るという「小周天」ができるようになった。

身体上の変化

 
 鏡で見ても、外見上の変化はまずないのだが、頭頂を指で触ってみると、中心部が盛り上がって、あたかも仏像の「肉髻」のようになっているのがわかった。どうもほんの数ミリの話らしく、髪の毛も生えているので外見ではまったくわからない。
 また、耳の筋肉を自分の意思によって動かせるようになるというおまけもついた。不随意筋ではないが、事実上随意筋として動かすことができなかった部分に、十分に気が回ったということなのだろう。
 それ以上の、たとえば勉強が急速にできるようになるといった、誰もが期待するほどの効果は、残念ながらなかったようである。

コメント