精神世界にかかわるグッズの類というのは、値段などあってなきが如しである。
この手のグッズというのは、大量生産というよりも、一種の職人技で作っているようなものなので、その時間と手間は確実に値段に反映されているし、買う側のほうもだいたい切羽詰まっているので、そういうものだと思って、お金に糸目をつけることもない。
決まった数字にダイヤルを合わせることによって、運勢に作用するという特定のオカルティックな波動を照射するのがラジオニクス装置というものだが、これなども無茶苦茶な価格だったりする。
ラジオニクス装置は、だいたい数字の桁数によって波動が精妙になるかどうかが決まるので、ダイヤルの数が多いものほど値段が高くなるというのが一般的な傾向だ。
もう大昔の話だが、私は真剣に頭がよくなりたいと思って、お金を貯めてラジオニクス装置を買ったことがある。
ラジオニクスの世界でいえばおもちゃのような、3桁しかダイヤルがないような製品だったが、それでも20万円近くはしたような記憶がある。
今ではもう使っていないし、どこかでホコリをかぶっているか、ひょっとしたら捨ててしまったかもしれない。
正直なところ、私の長年の経験で得た真実というのは、身の丈にあわないほどの高いお金でグッズなどを買うよりも、塾に入るなり参考書を買うなり、現実的な努力に向けたほうが、最速で願望を叶えられるということだった。
それはそうとして、たしかその当時、12桁くらいの数字(レート)が設定できる、まずまずの製品ならば40万円から50万円くらい、レート20桁くらいのプロ級(プロなんかいるのかどうかは知らないが)の製品になると、70万円から80万円くらいだった気がする。
ラジオニクス装置が「値段が高いものは必ず効果がありそうだ」という人間の無意識に訴えかけた製品だとすれば、どんなに高かろうが効果が上がればそれでよいのだろう。
ちなみに、今では「ペーパーラジオニクス」といって、紙に回路図を書いて簡単なラジオニクス装置をつくるという手法があり、ネットで検索すればいくらでも出てくるので、わざわざ高いお金を出す必要はないし、びっくりすることに、紙でもたしかに機能する。