神は人の敬いによりて威を増す

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関東御成敗式目といえば、鎌倉幕府の御家人の統率のために発せられたというのが一般に学校でに習うことだが、意外にもその第一条は「神社を修理し祭祀を専らにすべき事」ではじまり、その理由に「神は人の敬いによりて威を増し、人は神の徳によりて運を添う」という一文がある。
人間が神様を敬うことによって、神様の威力も増し、その神徳によって人間も幸運になるのだというわけである。
だから神社が壊れていれば修理し、お祭りを盛んにして、供物は絶やさないようにせよという文章につながり、たしかに鎌倉幕府はかなりの地方の神社の修理を行っているし、御家人がその役割を果たしていたりする。

実際のところ、小さな神社であっても、地域の人が境内の清掃だの花を活けたりだのと勝手に出てきたり、お祭りが毎年絶えず行われているような神社というのは、強いエネルギーが集まっていたりする。
もっとも、余所者が参拝して御利益があるかどうかは神社によってまちまちで、昔からその地域や地域住民の守護だけを専一にしてきたという神様もあれば、誰でも来るもの拒まずという場合もあって、それはやはり八百万の神といわれるほど、日本の神は個性にあふれているということになる。

神社に呼ばれるという項目でいくつか書いたが、場合によってはそうしたお祭りの日に呼ばれることもあり、祭りの日はことに境内のエネルギーが強いと考えてよいだろう。
ただし、神社に呼ばれるとはいっても、神様が直接何かの社会的使命がある人を社頭に召喚したという場合もあるが、自分の潜在意識が神様とつながりやすい場所や時間をわざわざ選んで訪れるという場合もあるので、あまり選民思想のようなものには囚われずに参拝するとよいだろう。