気功と頭内爆発音症候群

広告

「頭内爆発音症候群」とよばれるものがある。「症候群」とあるくらいだから、具体的な病気というよりも、一定の症状をもたらすものすべてをひっくるめた呼称と考えたほうがよいだろう。実際、症状の原因となる病気は特定されていないし、詳しいメカニズムもよくわかっていない。

頭内爆発音症候群の症状は、文字どおり、頭が爆発するのである。寝入りばななどに、突然、頭の中でパーンとはじける、爆発するような音が一瞬響き渡るような感覚を覚えるが、他に取り立てて何があるわけでもない。

私の場合、ちょっと乾いた金属音的なものが混じった感じの爆発音がして、その刹那に真っ白な閃光が走る。あとから鏡で見ても、頭内爆発音症候群の起こった痕跡を見出すことはできない。

仮説として、人間が休息するときには、順次スイッチを切るようにして、体の部位の活動をひとつずつ停止させていくが、頭内爆発音症候群になっている人の場合には、いきなりブレーカーを落とすような、荒っぽいスイッチの切り方をするので、それが爆発音のような衝撃として感じるのだという。

最近、この頭内爆発音症候群は、ストレスや疲れが溜まっている人におこりやすい、それほど稀ではない症状だということがわかってきたようだが、実は気功法をかじって練功をしている場合などにも、気功でリラックスした瞬間にこの頭内爆発音症候群のような症状があらわれることがままあるものだ。

何といってもすさまじい爆発音なので、本人は悪い病気にかかったのかとびっくりしてしまうが、これで死んだ人がいるわけでもなく、まったく感覚的なものなので、心配する必要はない。

ただし、頭内爆発音症候群の場合、指をポキポキと鳴らすのとは違って、外からもその爆発音が聞こえるというのではなく、あくまでも当人の感覚だけにとどまるものだ。ちょうど飛行機に乗った時に耳がキーンとすることがあるが、あれも当人だけに聞こえて、周りの人には何も聞こえないというのに似ている。

そのため、他人からは理解されにくいのが、この頭内爆発音症候群の難点だが、別段深刻な事態になることはないので、放置して問題はない。