富士塚のエネルギーについて

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神仏のエネルギーの面白いところは、どこでも「呼び出す」ことが可能であるということだろう。

卑近な例でいえば、神社仏閣から頒布された御札のようなものがある。

神棚は当然ながら神社そのものとは物理的に遠くはなれた場所にあるはずだが、しっかりと祈祷や供養が行われている神社仏閣のものであれば、もとのエネルギーとリンクさせることができる。

路傍の石仏や石祠などといったものも同様で、お地蔵様のかたちに造っておけば、たしかに地蔵菩薩のエネルギーが発生するというわけだが、管理がおろそかになっているもの、誰も供養をせずに顧みないものについては、残念ながらもはや石の塊でしかないという場合もある。

こうしたもののなかでも、特異といえるのが「富士塚」である。

関東地方では割とよく見かけるのだが、江戸時代には庶民層の富士山信仰が盛んになったこともあって、各地に富士山をかたどった築山のようなものが築かれ、これを「富士塚」として、本物の富士山のかわりに参拝した。

富士塚は完全な人造物とばかりはいえず、もとからあった古墳を転用したものや、富士山から溶岩をわざわざ取ってきて積み重ねたようなものもある。

たいてい入口に鳥居があったり、山頂に石祠があったりするので、ただの富士山ではなく、富士山の神である浅間大神を中心とした、信仰体系のなかに位置づけられているものだと一目でわかるものだ。

この手の富士塚というのは、山懐に抱かれているような独特のエネルギーを今でも発していることが多いようで、もしよく管理されていて登拝できるものであれば、富士山を直接登拝したのと同じようなエネルギーを受けられることだろう。