例えば「宝くじで1億円当ててお金持ちになる」という願望と、「女優の誰々みたいなかわいい恋人を得る」という願望のふたつがあったとして、潜在意識に日々こうした願望をインプットした結果、金運のほうはかなり目論見に近い成果が得られつつあるとする。
ところが、一緒に願っていた恋愛運のほうは、願望がまったくかなわないどころか、会社の人事異動で男性ばかりの部署に飛ばされて、いっそう縁遠くなってしまった、などといったことがある。
何々運、といったものも、突き詰めればエネルギーの一種で、「混ぜるな危険」ではないが、一方のエネルギーともう一方のエネルギーとが反発したり、中和されてかき消されてしまったりといった例も多い。
普段は料理などしなくても、学校の家庭科の授業などで、酢と油と塩を混ぜて、サラダ用のドレッシングをつくった経験くらいはあるだろう。
酢と油は分離しやすいもので、おいしいドレッシングをつくるには、けっこうなコツが要り、酢が多すぎると酸っぱいだけの奇妙な味のドレッシングになってしまうし、反対に油が多すぎると、味がなくて舌にまとわりつくような嫌な食感のドレッシングしかできない。
ドレッシングをつくる際には、酢と油と塩のバランス、配合比がちょうどよい具合になって、はじめておいしいものとなるわけで、願望実現にあたっても、同様にさまざまな願望を招来するエネルギーが、ちょうどよい具合にバランスがとれていることが望ましいということがある。
それではどうするかだが、たとえば「1億円」を「100万円」に変更するといった感じで、願望の大きさを縮小してみるというのが手っ取り早いが、変に潜在意識にチープな願望ばかりを実現させる癖がついてしまい、大きな願望は叶わないという弊害もある。
ほかに、「宝くじで」ではなく、「高い月給の仕事に転職して」のように、願望実現の手段をほんのすこしずらしてみるというのも有効な方法だが、これも手段にこだわりがない場合の話となるだろう。
また、いろいろな種類のエネルギーを同時に扱っても支障がないように、エネルギーの器を広げるというか、ある種のスピリチュアルな修行なり経験なりを積んで対応するということもある。