ゾロ目の数字

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ふと時計を見たら現在時刻がゾロ目だったとか、適当に選んだ電話番号がゾロ目だったとか、偶然見つけた数字が意味のありそうな配列だったということは割とあることだ。

最近、これは見えない世界の天使がメッセージを発してくれている「エンジェルナンバー」なのだという話になっているらしく、1は始まり、2は信じること、などといった解説をずらずらと書いているサイトをよく見かける。

しかしラジオニクスがらみの記事でもちょっと触れたが、こうした数字を細切れに解釈しても、あまり現実的な意味はないのではないかと思う。

たとえば、日本語の「あいうえお…」を考えると、「い」という文字単独では水が出る井戸、いのししという動物、食べ物の消化器官などを表し、「か」は可能であること、蚊という虫、香りなどを表す。

それでは「いか」というのは「水が出る虫」だったり「イノシシの香り」だったりするのかといえばそんなことはないはずで、要は「い」と「か」が単独でどうかというよりも、「いか」という組み合わせそのものが重要になってくるわけだ。

しかも「いか」という2文字の組み合わせだけでは、「以下」「医科」「烏賊」「易化」いろいろに解釈できるわけで、「以下に記載する文章」「東京医科歯科大学」「紋甲烏賊」「センター試験は昨年度よりも易化」などといった、さらに多くの文字数を費やすことで、いったい何を意味しているのかが、はじめてわかるようになる。

これはゾロ目にかぎらず、数字をスピリチュアルな意味に解釈する場合も同じことで、ケタ数が少ない数字にあまりに過大な意味を求めるのはナンセンスというものだろう。

しかも、先祖が隠れキリシタンか何かであればともかく、天神地祇のおわします日本国中に、それほどまでのエンジェルが飛び回っているとも常識的には考えられない。

たしかにある種の数字の羅列にはスピリチュアルなエネルギーが宿る場合があって、どうも天使や神仏というよりも何かもう少し物理法則に近いような感じはあるわけで、そうした意味で「ゾロ目を見た」というのは、ある種の法則に沿って生きているということにはなるだろう。

ただし、その解釈というのはネットを見て安直に理解できるほど単純ではないはずなのである。