貴賓室

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一般にギャンブル、賭け事の波動は悪いといわれている。
実際のところ、パチンコにしても競馬にしても、それで勝利を得て優雅な生活をしている人というのはごくわずかで、身を持ち崩して生活が困難になっている人のほうが多いという事情から、恨みつらみのようなものがまとわりついているわけだ。
これは別にスピリチュアルな意味での解釈をしなくても、常識的にも何となくはわかることだろう。
だいたい国がギャンブルではないと言い張っているとおり、競馬法のなかで勝馬投票券の種類や払戻金などが細かく(さらに細かくは農林水産省令である競馬法施行規則のほうだが)決まっていて、金融やくざもびっくりするほど「射幸心を煽らない」という名目でむやみに勝てないしくみ、さらにいえば主催している自治体のほうがもうかるしくみになっているのだから、当然といえば当然ともいえる。

ただし、ちょっとした例外があって、これは東京競馬場でもどこでもいいが、競馬場にある貴賓室の波動だ。
競馬場には一般的な観客席とは別に貴賓室があって、ここは建物のなかでも場内がよく見渡せる高い位置にあり、専用のエレベーターで昇ることになる。
貴賓室もやはり競馬を楽しむ場所なので、発券ができる機械は何台か備え付けられているし、有人の窓口もあるし、警備員も当然いる。
絵面的にはホテルのロビーや展望カフェのようなイメージで、ガラスの向こう側が競馬場だと考えてもらったらわかりやすいだろう。
どこのオッサンだか知らないが、「また当たっちゃった」と言って200万円くらいありそうな札束を無造作にバッグにしまいこんでいた人にも声をかけられたが、まあそうした余裕ある人の集まりだといってもいい。
ここはなんというか、金持ち喧嘩せずではないが、まず中にいる人たちにギスギスした雰囲気がなくて、生活のために血眼になっているのではなく、純粋に金持ちの道楽としてレースそのものを楽しんでいるので、いわゆる悪い波動が充満しているという感じがない。
スピリチュアルな世界、特に引き寄せの法則の実践者などからいわせると、貧乏人は金持ちの真似をするといいという話だが、何か機会があれば、貴賓室や、そこまでいかなくても有料で座席が確保できるエクセルフロアのようなところで観戦しつつ馬券を買えば、多少は勝率が上がるかもしれない。