人工精霊、あるいはタルパ

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人間の意識のちからは強力であり、ときには生き霊までもをつくり出す能力があるとすれば、そうした能力を別のかたちで活かすことも可能である。

たとえば、人工精霊、タルパなどとよばれるものは、この意識が凝り固まったもののひとつ、といった感じだろうか。
なにか特定の人物やキャクターのようなものを一心にイメージしていると、それがやがてスピリチュアルな実体をもったもののようになるわけだ。

私は人工精霊、タルパもどきを自分でつくったこともあるが、あんがいと自分ではなく他人が作った人工精霊、タルパのようなものも、知らないうちに空中をふわふわと飛んでいたりもするようである。

私がはじめて見たこの種の人工精霊、タルパもどきは、朝の4時ごろの薄暗い時間帯にあらわれたもので、アメーバを顕微鏡で観察しているときのように、空中に浮かんだ透明なものの輪郭が、弱い光を受けて反射しているような感じだった。

はじめはウスバカゲロウのような透明な羽をもった昆虫が家の中にまちがって入ってきたのかと思った。
しかしよく見ると、ウスバカゲロウではないようで、実はこれが人工精霊、タルパであると、そのときなんとなく理解した。
天使のような羽がはえていたので、つい現実に存在するウスバカゲロウであると誤解してしまったらしい。

この物体は空中を浮いたままふらふらとしていたが、そのうちものすごい勢いで視野からフェードアウトして、いなくなってしまった。

結局、私の苦境を助けにきたのか、ただ単に居心地がよいので飛んでいただけなのか、なにをしたかったのかはよくわからないが、その後もこの手のものはけっこう見たので、もう少し注意力を凝らせば、世の中にはかなりの頻度でうようよと浮いているのだろう。