里親の立場と懲戒権




養育里親は、もとより里子となっている子供とは血のつながりもなく、都道府県知事から養育の委託を受けただけですので、養子縁組としない限りは法律上の親子関係も発生しません。法律上の親子関係は、引き続き実親のほうにあることになります。

ここで問題となるのが、実親に認められているのと同じように、しつけのための懲戒権などが里親にもあるのかどうかですが、平成16年の児童福祉法の改正によって、民法で定められている「親権」のうち、「監護権」「教育権」「懲戒権」の3つの権利が明文として里親にも認められました。

これによって、里親は児童福祉法にいうところの里子の「保護者」であって、子供をしつけ、必要な教育を受けさせ、身の回りの世話をして育て上げるという役割があることが、公にも明らかになったといえます。

ただし、懲戒権は児童の健やかな成長を目的として認められているものですので、単に肉体的苦痛を与えたり、人格を侮辱することを目的としたものは、当然ながら認められません。虐待にあたると判断された場合には、児童福祉法の規定(欠格条項)によって、里親名簿から削除されることとなります。

里親制度についての相談機関

里親制度に関する相談機関として、それぞれの都道府県、政令都市、一部の中核市が設置している児童相談所があります。

児童相談所は、児童福祉法第12条に基づいて設置され、市町村の児童相談業務への援助とともに、専門的な知識および技術が必要な児童に関する相談に応じ、医学的・心理学的診断などの結果に基づき、必要な指導・処遇を行う児童福祉行政の専門機関です。

里親制度に関わる事務のほか、児童福祉司や心理判定員などによる児童相談(巡回相談)、ひきこもり対策、児童虐待防止、その他関係機関との連携による事業などを行っています。


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